違法争議行為(いほうそうぎこうい) |
解雇関連用語 - あ行 | |
正当な争議行為が行われた場合には、民事免責が保障され、損害賠償責任を負うことはありません。また、刑事免責も保障され、解雇や懲戒処分など使用者からの不利益な取扱いからも保護されますことも労働組合法において明らかに規定されています。他方、正当性のない争議行為(これを違法争議行為といいます)については、労働者の労務停止行為が債務不履行を構成し、債権侵害、操業権侵害、所有権侵害などの不法行為(教唆・幇助を含みます)を構成することにより法的な責任が生じる可能性があります。このように違法争議行為により使用者に対する損害賠償責任が発生した場合、労働組合以外に、個々の組合員に責任を負わせることができるかという論点があります。これについては、学説においては、争議行為が集団的意思決定に基づいて行われることなどを理由に否定的な見解が有力ですが、裁判例の中には個人責任を認めたものもあります。争議行為が正当なものであるか否かについては、一概に判断することは難しく、その主体、目的、態様、手続といった側面から事案ごとに判断されることになると考えられます。
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