弁護士紹介ご挨拶刑事事件の被疑者・被告人の一番の味方は誰でしょうか?
「優秀な刑事弁護士」、そう思われる方も多いかもしれません。私自身、弁護士になった当初はそのように考えていました。しかし、弁護士登録をして以来、弁護人の立場で刑事事件に関わって来た今は、被疑者・被告人の一番の味方は「家族」であると確信しています。 逮捕された方が一番気にかけるのはご家族のことです。逮捕されると、狭い無機質な空間に閉じ込められ、連日厳しい取調べを受けることになります。これは想像以上に苦しい環境です。若い方ですと、毎日のように弁護士に面会を求め、涙を流しながら外に出たいと切実に訴えてこられることもあります。そんな状況の中でも、逮捕された本人が、常に何よりも気にするのはご家族のことです。 本人のことを一番に心配しているのもご家族です。本人が不利益な取扱いを受けたり、裁判で誤った事実認定がされたりすることのないよう、本人の権利を守っていくのは弁護士の努めです。しかし、本人にとって本当に大きな支えになるのはご家族なのです。 ご家族の力は、時に裁判の結果を左右することがあります。無実を訴えているときに、覚えのない罪を認め、厳しい取り調べから逃れたいという誘惑に駆られるときも、ご家族のことを思えば耐えられることがあります。犯した罪は償わなければなりませんが、ご家族の心からの言葉が、本人が自らを振り返り、反省を深めるきっかけとなることがあります。裁判官が、被疑者・被告人の身柄を解放するべきかどうか判断するとき、特に気になるのは、そのまま逃亡してしまうのではないか、また同じような罪を犯してしまうのではないかということです。ご家族の厚いサポートは、こうした裁判官の不安を軽減することにもつながります。 刑事弁護人が被疑者・被告人本人のために全力を尽くすことは当然です。しかし、ご家族の方と一丸となって闘うことができれば、ずっと大きな力とすることができます。 また、ご本人のみのためでなく、ご家族にも安心を届けたい、一刻でも早くご家族の元に大事な方を取り戻したい、そうした思いで職務に当たっております。身柄解放後、本人とご家族が再会され、元に戻ったご家族の安堵の場に立ち会うことは、刑事弁護人として最も大きな喜びです。 これを読んで下さったご家族の方は不安な思いでいっぱいかも知れません。その不安をどうぞぶつけて下さい。ご家族の安心のために全力で尽くします。 |