解雇同意条項（かいこどういじょうこう）

労働協約中に、使用者が労働者を解雇する場合にとらなければならない手続を規定した条項がしばしばみられます。例えば、「会社は、組合員を解雇する場合には、組合の同意を得なければならない」というような規定がみられますが、このような条項を解雇同意条項といいます。このような条項があるにもかかわらず、組合の同意を得ずにされた解雇は原則として無効です。もっとも、例外的な場合、たとえば、解雇に十分な合理性があって、使用者が組合の同意を得るための努力を尽くしたにもかかわらず、組合があくまで同意を拒否する場合には、組合の信義則違反ないし権利濫用にあたり、使用者は解雇することができると判断された裁判例もあります。なお、解雇同意条項に似ているものとして、「会社は、組合員を解雇する場合には、組合と協議しなければならない」というような規定は、解雇協議条項といいます。