任意同行(にんいどうこう) |
刑事手続用語 - な行 | |
任意同行というのは、被疑者の出頭確保のため、捜査官がその居宅などから警察署などへ同行させることをいいます。この任意同行は、司法警察活動としての捜査活動であり、行政警察活動としての警職法上の任意同行とは異なります。そして、ここにいう任意同行は、まだ逮捕するだけの嫌疑がない場合に取調べをし、要件が整ったところで逮捕手続をしたり、すでに逮捕状がある場合であっても、被疑者の名誉を保護するため、あるいは逮捕の時間制限を免れるために、まず任意同行させて、後に逮捕状を執行するために使われる手法です。任意同行が真の同意にもとづくものであれば問題はないのですが、実質的に逮捕といえるような運用がされる場合には大きな問題です。任意同行と実質的な逮捕との境界線は明確ではありませんが、同行を求めた時間や場所、同行の方法や態様、同行を求める必要性、同行後の取調べ時間や方法、監視の状況、被疑者の対応、逮捕状準備の有無などの諸般の事情を総合して判断するほかないと言われています。
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