二重の危険(にじゅうのきけん) |
刑事手続用語 - な行 | |
いったん審判がすんだ以上、同じ事件は二度ととりあげないという原則を一事不再理の原則といいます。たとえば、殺人事件で無罪が確定した被告人は、新証拠が出てアリバイが崩れたからといって、もう一度起訴されることはありません。その理論的根拠については、論者によって異なりますが、1つの考え方として、被告人が一度訴追の負担(有罪判決を受ける危険や公判を受ける負担)を課されたならば、再度同じ苦しみを受けることがないというように、被告人の手続の負担に力点を置いた考え方を二重の危険といいます。この立場によると、検察官の訴因変更の可能な範囲に対応して、公訴事実の同一性の範囲で危険が及ぶと考えます。
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