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Bビル管理会社事件

建物保守・修理工事を行う会社に雇用され、オフィスビルの管理人として働いていた方が、会社に対して未払いの残業代(時間外、休日、深夜の割増賃金)の支払いを求めて名古屋地方裁判所に訴訟を提起した事案です。

管理人さんは、所定の労働時間外に、玄関及び駐車場の施錠・開錠や清掃、巡回などの決められた業務を行っていましたが、本事案では、こうした所定の時間外業務の合間の現実には作業していない時間、いわゆる不活動時間が労働時間に当たるのかが争われました。

名古屋地方裁判所は、次のような理由を挙げ、不活動時間も、会社の指示に基づき業務に従事することを義務づけられ,会社の指揮監督下にある時間であり、原則として労働時間に該当すると判断しました。

(1)不活動時間中も、通常、緊急事態やビルに入居する顧客企業の指示によって、業務に従事する可能性のある状況にあった。

具体的事実としては、

・勤務場所は顧客企業のオフィスで、制服の着用が義務づけられていたから、勤務時間外であっても、顧客企業の指示等により業務に従事せざるを得ない状況であった。
・住込みで勤務し、午後10時までの間は種々の確認や緊急時の対応を義務付けられていた。

(2)会社は、(1)の勤務状況を認識した上で、これを積極的に容認していたものと認められ、少なくとも黙示に指示していた。

具体的には、

・会社はオフィスビルに長年管理人を派遣しており、勤務状況を十分に知る機会があった。
・顧客企業との契約では管理人業務についてあいまいな表現を用いる一方で、管理人勤務表には,記載のない事項は客先と打ち合わせの上適宜実施する旨記載している。
・会社は、管理人に対して不活動時間の一部を労働時間として申告するよう指示している。

他方で、①実態として労働の必要が極めて乏しく、管理人自身も遊興のため自由に外出するなど、業務に従事するため被告に拘束されていると認めらない、又は、②会社において業務に従事させるため拘束しているとは認識していないと認められるような特段の事情がある不活動時間は、労働時間から除外されました。

具体的には、

・喫茶店へ行きモーニングサービスを利用していた朝の時間
・勤務時間の記録から、業務対応がほとんど発生せず、夕食や入浴等のために取っていた夜の時間
・顧客企業から用事を頼まれても対応する必要がないことが確認された時間

などが労働時間には当たらないと判断されています。

2007年9月12日に出された判決では、会社に対して、未払い残業代137万余円と割増部分相当額の付加金43万余円の支払いが命じられました。

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